ペリペリ開発秘話

【エヴァンゲリオン~ヤマト作戦!~】シリーズ30周年!新劇場版のクライマックスを飾る一番くじ。約3年を経て商品化された、開発者たちのエヴァ愛溢れるラインナップ!
1995年にスタートしたテレビアニメにはじまり、2025年に30周年を迎えた『エヴァンゲリオン』シリーズ。2025年7月11日からは、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(以下、『シンエヴァ』)より、『ヤマト作戦』をテーマにした『一番くじ エヴァンゲリオン ~ヤマト作戦!~』が発売されます。今回は本弾のフィギュア製作を行ったスタジオGS株式会社のディレクター・Mさんと、企画担当者のおりがみさんにインタビュー。フィギュアや雑貨に込めたこだわりを語っていただきました。
スタジオGS株式会社のMさん(左)『一番くじ エヴァンゲリオン ~ヤマト作戦!~』企画担当のおりがみさん(右)
おりがみ
2021年に入社。ロト・イノベーション事業部でプロモーション業務を経験後、企画担当となり『エヴァ』の一番くじを担当する。『シンエヴァ』は劇場で4回鑑賞。
スタジオGS株式会社のMさん
玩具の企画立案からデザイン・設計・原型製作を行うスタジオGS株式会社の代表取締役を務める。本弾では、フィギュアの原型ディレクションを担当(原型製作はスタジオGSスタッフが担当)。『シンエヴァ』は劇場で7回鑑賞。
『エヴァンゲリオン』がフィギュア制作の原点
――くじのお話を伺う前に、まずは『シンエヴァ』のご感想を伺いたいと思います。
おりがみさんが話しているところ
おりがみ:シンプルな感想ですが、とても感動しました。劇場で4回は観ましたね。公開前にやっていた過去作の4D上映もすべて観たので、最高の状態で『シンエヴァ』を観賞できました。人によっていろんな解釈がありましたが、僕としてはすっきりする終わり方ですごくよかったです。
Mさん:本当にずっと待っていたので、やっと観られるのかと思いました。同時に、本当に観られるのかな、本当に今回で終わるのかな、という気持ちもありましたけど(笑)。でも劇場で観て、本当に終わりを迎えたんだ、シンジくんが大人になったんだと感じましたね。感慨深かったです。
Mさんが話しているところ
ご自身の人生を振り返ってみて、『エヴァ』にどのような影響を受けたと思いますか?
おりがみ:僕は元々アニメをあまり見ていない子どもだったんですけど、アニメが好きな親戚のおじさんが映画館に連れて行ってくれて『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』を観たんです。ちょうど中学2年生で、シンジ君たちと同じく14歳でした(笑)。
それをきっかけにアニメ全般を観るようになって、結果として今この仕事をしているので、そういう意味では大きな影響を受けていますね。
――テレビ版からリアルタイムで『エヴァ』を体験されてきたMさんはいかがでしょうか?
Mさん:『エヴァ』がなければ、弊社は存在していないと言っていいくらい、受けた影響は本当に大きいですね。そもそも、僕がガレージキットに触れたきっかけがまさしく『エヴァ』で、このかっこいい作品を立体物で作りたい!と思ったところからはじまったんです。
そこから“ワンダーフェスティバル”(※)にも参加するようになり、原型師、原型師ライターを経て今のスタジオGSという会社を立ち上げました。
――Mさんにとって、『エヴァ』は立体造形のはじまりになった作品なんですね。
Mさん:はい。映画が完結しても、また今ここで『エヴァ』の造形をさせていただいているので、ずっと『エヴァ』とシンクロしているような気持ちです。
※ワンダーフェスティバル:造形メーカーの海洋堂が主催する、ガレージキットのイベント。通称“ワンフェス”。
3年前から制作されていたフィギュアたち
――それでは今回のくじがスタートした経緯を教えてください。
『一番くじ エヴァンゲリオン ~ヤマト作戦!~』の商品たち
おりがみ:実は新2号機α、アスカとマリのフィギュア、アスカ(幼少期)のフィギュアの原型は、3年ほど前から作ってあったんです。
Mさん:『シンエヴァ』で作品がきれいに完結したのを観て、これで自分も『エヴァ』から卒業だな、と思っていたんですが、そのすぐ後に、当時『エヴァ』一番くじの担当だった方からフィギュア制作の依頼をいただいたんです。それで最初に出した立体物の案が、今回の新2号機αでした。
Mさんが話しているところ
――映画が終わりたての気持ちが熱い時期にすでに作っていたんですね! ファンからもヤマト作戦の商品を出してほしいという声はありましたか?
おりがみ:ヤマト作戦は盛り上がるシーンなので、商品化の要望は多かったです。新2号機αなどのフィギュアは当時、“ワンフェス”でも展示していたんですよ。
Mさん:2022年の冬でしたね。
おりがみ:当時はまだ試作段階だったんですけど、それを覚えていてくださったお客さまも多く、「ずっと待っているよ」とお声をいただいていました。
――ファンの声もあってようやく世に出たんですね! 過去の『エヴァ』シリーズのくじと今回とで、差別化を図っているのはどのような部分でしょうか。
おりがみ:これまでは「MEGAIMPACT」(メガインパクト)というシリーズで、機体の全身を立体化したほぼ素立ちのフィギュアを出していました。一方で今回は「MEGA VIGNETTE(メガヴィネット)というブランドで制作しています。こちらはサイズ感をそのままに、ジオラマ型、シーン再現のフィギュアを作るブランドですね。
前弾:『一番くじ 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』
▼商品ページ
https://1kuji.com/products/eva_f16
▼開発秘話
https://1kuji.com/articles/story-18
360度どこから見てもかっこいい新2号機α
――ここからは各賞についてお話を伺っていきたいと思います。A賞の新2号機αは見た目のインパクトが大きいですが、制作されるうえで苦労されたのはどのような点でしょうか。
A賞 エヴァンゲリオン新2号機α フィギュア(左)ラストワン賞 ラストワンver.エヴァンゲリオン新2号機α フィギュア(右)
Mさん:2号機αは使徒化寸前のシーンを再現したかったので、より生物的な部分も強調しつつ、ジェットアローンのメカメカしさも感じられるようにしています。本来ジェットアローンの内部は空洞なのですが、見栄えを考慮してケーブルで埋める、パーツの断面は積層装甲(密度の異なる素材を多層状に重ね合わせた装甲)のようにするなど、360度どこから見てもかっこよく見えるよう気を付けました。
彩色の際に色数を増やしすぎるとコストも上がってしまうので、最初は内部にあるケーブルに色は塗らなくていいと話していたんですよ。でもスタッフの熱量がすごくて、いつの間にか塗られていたんです(笑)。
A賞 エヴァンゲリオン新2号機α フィギュア
――立体化するにあたりアレンジなども加えたのでしょうか。
Mさん:フィギュアとしていかにかっこよく見せるかは考えました。例えば、劇中だと新2号機αは停止信号プラグをジェットアローンの身体に突き刺して、それを支えにして出てくるのですが、それだと力が入っているように見えなかったんです。今回は、版権元さまと相談し、ジェットアローンに直接手をつくかたちにしました。
おりがみ:版権元さまにフィギュアの造形について相談すると、「むしろどんなものを作りたいですか?」と言ってくださって、クリエイティブをすごく尊重してくださるんです。そこは本当にありがたいですね。
Mさん:でも正直、新2号機αは商品化されないんじゃないかと思っていました(笑)。
おりがみ:GSさんにケーブルの塗りや顔の墨入れなど細かいところまでこだわっていただいたので「なんとしてでも完全に再現しよう」と、原型のこだわりをそのままに量産しました。
Mさん:細かい話ですけど、“ワンフェス”で展示されていた際にはツノの部分に筋が入っていなかったんですよ。ここについても、今回の商品化に際して急遽追加しました。
――ラストワン賞では新2号機αの左腕に使われている素材が変わっているようですが、こちらはどういった素材なのでしょうか。
ラストワン賞 ラストワンver.エヴァンゲリオン新2号機α フィギュア
おりがみ:ラストワン賞では腕に蓄光の素材を使っています。劇中でも光を放ちながら腕が生えてくる場面なので、それを再現しています。あまり一番くじでも扱ってこなかった素材なので、色味の面では苦労しましたね。
並んで映えるアスカとマリ。とにかくかわいい幼少期のアスカ
C賞 真希波・マリ・イラストリアス フィギュア(左)B賞 式波・アスカ・ラングレー フィギュア(右)
――B賞 式波・アスカ・ラングレー フィギュア、C賞 真希波・マリ・イラストリアス フィギュアについてこだわった点を教えてください。
おりがみ:直立すると24センチくらいになるスケール感でこれまでのフィギュアと比較しても大きくなっているので、より細かい部分まで作り込むことができました。
Mさん:今回2人で出すということで、並べた際にバランスがよくなるように髪の流れも同じ方向に流して、ポーズも調整を重ねました。
――ぜひ2つ揃えてゲットしてほしいですね。D賞では幼少期のアスカがフィギュアとなって登場していますね。こちらはどのような点に注意しましたか?
D賞 式波・アスカ・ラングレー(幼少期) フィギュア
Mさん:ただ木の上をかわいく歩いているアスカを再現したい、と思って僕らから提案したものなんですよ。もとになったイラストよりもさらにかわいくなるように力を入れました。
――ニット帽の有無で2バージョンが登場しているのはなぜでしょうか?
Mさん:当時はいつ、どういうかたちで商品化されるか決まっていなかったので、かわいいから両方提案をしたんです(笑)。
おりがみ:こんなにかわいいものを作っていただいたら、出さないのはもったいないじゃないですか。ラストワン賞でバージョン違いを出す手もあったんですけど、今回は新2号機αがあったので、それなら同じ賞で2種類入れてしまおう、と。
D賞 式波・アスカ・ラングレー(幼少期) フィギュア
雑貨賞でも新たなチャレンジ
――E賞の『ラバーコレクション』について、こだわりのポイントを教えてください。
E賞 ラバーコレクション
おりがみ:ベース素材をクリアにして裏面からも柄が透けるようにデザインしています。クリア素材のラバー自体は前例があるのですが、ベース部分の柄と関連したデザインを入れて、表側のデザインが浮かんで見えるようにしたのは今回が初めてです。
E賞 ラバーコレクション
――ちなみに、Mさんはどの柄がお気に入りですか?
Mさん:このなかだと、やっぱりザ・ビーストになっている2号機ですかね。活動限界までのタイマー表示が崩れる演出も再現されていて、すごくかっこいいと思います。
――F賞の『レイヤーアクリルスタンド』は、チルドレンたちやエヴァ、そしてユニークなところではA.T.フィールドなども登場していますね。
F賞 レイヤーアクリルスタンド
おりがみ:『エヴァ』のアクリルスタンド自体は過去にも出ていたのですが、2パーツでレイヤーになっているものは今回が初めてです。それぞれ取り外して組み替えることができるようになっているので、パイロット同士を並べたり、パイロットと搭乗機を並べたりして飾ることもできます。
初号機は暴走時をイメージしたイラストを描き起こしているので、暴走の表示と組み合わせることでより雰囲気が出るかなと。A.T.フィールドのデザインは、お好きなフィギュアの前に飾っても楽しんでいただけるかと思います!
今回、雑貨賞は全て選べる仕様なので、ぜひお好きなものを揃えて組み換えを楽しんでいただきたいです。
F賞 レイヤーアクリルスタンドを組み替えているところ
――最後に、G賞の『クリアポスター』。こちらは前回のくじでアクリルスタンドに使われていた、平面的な絵柄でさまざまな名シーンを再現したものですね。
G賞 クリアポスター
おりがみ:雑貨は新劇場版シリーズ4作品のなかから、印象的なシーンをチョイスしています。『クリアポスター』は全10種で、基本的には戦闘シーンからかっこいい場面を選び出しつつ、1種類だけシンジくんとカヲルくんが一緒にピアノを弾いているシーンも入れています。
G賞 クリアポスター
――前回の量産機、今回の新2号機αなどは眠っていた企画がようやく日の目を見た、といった内容でしたが、まだまだ眠っている企画はあるのでしょうか。
おりがみ:今回の弾で出したいものはひと通り出せました。
Mさん:そうですね。以前の担当者さんと一緒に作った死海文書のシナリオ通りに行えたのではないかと思います(笑)。
おりがみ:今後の企画について相談を進めている最中ではありますが、これからもジオラマ系のフィギュアもたくさん作っていきたいと考えています。まだ商品化できていないシーンもたくさんありますし。
――これからの『エヴァ』一番くじにも期待大ですね。最後に、このインタビューを読まれているペリペリ団の皆さんへのメッセージをお願いします。
Mさん:フィギュアに関しては、僕ら制作側の想いも込めていますし、お客さまもきっと大好きであろうシーンを思い描きながら作っていますので、ぜひ実物をお手に取っていただければと思います。特に新2号機αはどの角度から見てもかっこいいので、いろんな角度から鑑賞していただきたいです。
おりがみ:フィギュアは『エヴァ』を本当に大好きなMさんに相当細かいところまで作り込んでいただきました。雑貨も初の試みをいれて、かなりこだわっています。どれが当たっても楽しんでいただけるかと思いますので、ぜひお手に取っていただけるとうれしいです。
『一番くじ エヴァンゲリオン ~ヤマト作戦!~』の商品たち
※こちらの記事は公開日時点の内容となります。
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