ペリペリ開発秘話

量産機の不気味さをそのままに迫力満点で立体化!『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』の感動を形にした造形会社の担当者と企画者にインタビュー
1995年に放映されたテレビアニメを皮切りに社会現象を引き起こし、長年にわたる多彩な展開でファンを魅了してきた『新世紀エヴァンゲリオン』(以下、『エヴァ』)。『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』を題材にした『一番くじ 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』を2025年2月7日より順次発売します。今回は本弾のフィギュアの製作を行ったスタジオGS株式会社のディレクターのMさんと企画担当者のおりがみさんにインタビューを行い、フィギュアや雑貨に込めたこだわりを語っていただきました。
スタジオGS株式会社のMさん(左)『一番くじ 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』企画担当のおりがみさん(右)
おりがみ
2021年に入社。ロト・イノベーション事業部でプロモーション業務を経験後、企画担当となり『エヴァ』の一番くじを担当する。
スタジオGS株式会社のMさん
玩具の企画立案からデザイン・設計・原型製作を行うスタジオGS株式会社の代表取締役を務める。本弾では、フィギュアの原型ディレクションを担当(原型製作はスタジオGSスタッフが担当)。
ファン待望!30周年を迎えるタイミングであの量産機がついに商品化
スタジオGS株式会社のMさん(左)『一番くじ 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』企画担当のおりがみさん(右)
――まずは今回のくじについてお聞きする前に、おふたりが感じる『エヴァ』の魅力を語っていただければと思います。
おりがみさんが話しているところ
おりがみ:僕が『エヴァンゲリオン』という作品に初めて触れたのは、新劇場版シリーズでした。はじめは、大迫力の戦闘シーンや魅力的な音楽に惹かれて作品を好きになりましたが、もっと『エヴァンゲリオン』という作品を理解したいという想いから、テレビシリーズや漫画版にも触れるようになりました。理解を深めるうえで、さまざまな考察サイトや解説なども読みましたが、エヴァにはある種正解がないというか、それぞれの方が思う『エヴァ』みたいなものが存在するのがおもしろい部分だと思います。
劇場版(※)を観たときは、とにかく衝撃を受けました。特に、量産機が出てくるシーンは、トラウマになるくらいの絶望感がありましたね……。
※劇場版:新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に(1997年公開)
Mさんが話しているところ
Mさん:僕はテレビ版が放送された当時、ちょうど中学1年生だったんですよ。アニメが盛り上がってきたころに中学2年生になっていたので、完全にチルドレン世代で(笑)、どハマりしていました。主人公のシンジくんにライドして、一緒に過ごしてきた感覚があります。もちろん、劇場版もリアルタイムで観に行っていました。
――今回、劇場版の一番くじが出ることになった経緯を教えてください。
おりがみ:以前から、ユーザーさんへのアンケートで『新世紀エヴァンゲリオン』や量産機を商品化してほしいといったお声をたくさんいただいており、企画化できるタイミングを伺っていたんです。
Mさん:自分の方でも以前、前任の企画担当者さんから「何か作りたいものはないですか?」というお話をいただいて、すでにA賞とラストワン賞の元となる量産機の試作品を作りはじめていたんです。
おりがみ:そうなんです!商品化するかどうかがまだ決まっていない状況でしたが、前任としても商品化したい気持ちはあって。まずは原型だけ試作いただいて温めていたんです。それがちょうど30周年というタイミングやユーザーさまからの要望と噛み合うことになって、この冬に念願の商品化となりました。
――ファンの要望とおふたりの作りたいものがもともと合致していたんですね。『エヴァ』の機体やプラグスーツなどを立体化するうえで、再現が難しいのはどのようなポイントでしょうか。
Mさん:エヴァは「人造人間」なので、鎧のようなメカ部分と人体の筋肉、このふたつを両立させるのが一番難しいですね。プラグスーツは肌にピタッと張り付いたようなデザインでありながらもメカのディテールが入っていて、それが見事に両立しているんです。
特に貞本義行さん(※)のデザインだとウェストがキュッと絞られているんですけど、全部が細いわけではなく、骨盤からは広がっているんですよね。
※ テレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』にてキャラクターデザインを担当したほか、マンガ版『新世紀エヴァンゲリオン』も手がけるアニメーター、マンガ家。
おりがみ:スタジオGSさんは、『エヴァ』の機体の「人間」と「ロボ」の中間的な質感や形を細かいところまで見事に再現してくださるんです。Mさん自身、本当に作品がお好きだからできることなんだと思います。
恐ろしさと不気味さを表現した量産機
――ここからは各賞の商品について伺っていきたいと思います。まずはA賞、商品化が決まる前から試作品として作られていたという『エヴァンゲリオン量産機 フィギュア』について、こだわりのポイントを教えてください。
A賞 エヴァンゲリオン量産機 フィギュア
Mさん:今回、量産機のポージングからスタジオGSのデザイン部で作り上げています。当時感じた量産機の恐ろしさや不気味さを表現しました。
細いけれども強そうな肉体や、猫背で睨んでいるような雰囲気にするのにもこだわりました。
おりがみ:武器のサイズも忠実に再現するためにどんどん大きくなっていって、全体的にとてもボリュームがあるフィギュアになったと思います。
――量産機は白と黒が基調になっているのも特徴的ですが、彩色面でこだわった部分はありますか?
Mさん:シャドウは少し紫めの色を入れています。なぜ紫なのか、というのは上手く言葉で説明できないのですが……。「紫が正解だな」と思って試しに着色してみたら、上手くハマりました。
おりがみ:墨入れの線なども濃い色になりすぎないよう、なるべく量産機の白さが際立つようにしていますね。
――ラストワン賞の『ラストワンver.エヴァンゲリオン量産機 フィギュア』では羽が追加され、さらに迫力を感じる仕上がりになっていますね。
ラストワン賞 ラストワンver.エヴァンゲリオン量産機 フィギュア
Mさん:アニメのイメージをそのまま形にしました。もともと試作品ということから始まっていたので、商品化するときの制約などは何も考えず、シンプルに「ただかっこいいから」という理由だけでこのサイズのまま完成にしました(笑)。
おりがみ:羽を含めると横幅55センチくらいあって、後ろから見ると迫力がすごいんですよ。
ペリペリ団の皆さまからの質問にもお答え!
| Q:なぜ劇場版にしか出ていない量産機をフィギュア化したのでしょうか? あの場面を再現するなら、量産機だけでなく弐号機も必要ではないですか? |
|---|
| おりがみ:もちろん、弐号機のフィギュアを入れたい気持ちは山々でした。ただ、今回はなんとしてでも量産機をこのボリューム感で製作したいという想いが強く、直近の弾で新劇場版の2号機が登場していたので、今回は量産機に全力を注ぐことにしました。『ちょこのっこ フィギュア』では弐号機と量産機をラインナップしていますので、そちらで場面を再現して楽しんでいただけたらうれしいです。 |
最初期の姿を再現した惣流・アスカ・ラングレーフィギュア。描き下ろしのイラストがあしらわれたビッグアクリルスタンド
――B賞の『惣流・アスカ・ラングレー フィギュア』について、こだわりのポイントを教えてください。
B賞 惣流・アスカ・ラングレー フィギュア
Mさん:スーツの細かな部分の再現にこだわりました。新劇場版とTVシリーズとで一見同じように見えるのですが、実は微妙にスーツのデザインが違っているんです。例えば、新劇場版の式波・アスカ・ラングレーの場合はラインの両端が尖った形状になっているのですが、テレビ版の設定画だと丸くなっています。胸元に入っている緑の部分も、劇場版では新劇場版に比べてちょっと明るめの色なんです。
B賞 惣流・アスカ・ラングレー フィギュア
Mさん:今回の弾ではそういった細かな違いを含め、最初期のアスカ・ラングレーを形にできないかなと思って再現しました。
――ものすごくマニアックなこだわりが詰まっていますね。
Mさん:新劇場版のアスカを作る機会は今後もあるかもしれないんですけど、TVシリーズのアスカを作る機会は、少ないかもしれないんですよね。だからこそ、細かな部分まで当時の姿に寄せていきたいという思いで、とことんこだわりました。
おりがみ:そういった細かな再現ポイントもそうですし、このポージングもアスカらしくていいですよね。堂々として髪をかきあげて、髪が風になびいている感じもすごく好きです。
――アスカが初登場したシーンを思い出させるものがありますよね。
Mさん:そのシーンは、実際かなり意識しています。最初は箱に収めやすいように、と髪をもう少し落ち着かせて、毛先ももう少し丸かったんですよ。でも、もっとダイナミックに制作していいと言っていただいたので、思い切りなびかせて、毛先も鋭角にして毛束がきれいに見えるようにしています。
――C賞、D賞、E賞はそれぞれ、惣流・アスカ・ラングレー、綾波レイ、渚カヲルのビッグアクリルスタンドですね。こちらはどういった部分がポイントでしょうか。
左からC賞 惣流・アスカ・ラングレー ビッグアクリルスタンド、D賞 綾波レイ ビッグアクリルスタンド、E賞 渚カヲル ビッグアクリルスタンド
おりがみ:どれも約20センチありフィギュアに負けないくらいのボリューム感になっています。
デザインについては、「パイロットと機体」というテーマで制作しました。量産機にパイロットは存在しないんですが、カヲルくんのダミープラグを使用して、動いているという設定を踏まえてこのようなデザインにしています。
今回は劇場版、テレビ版に準拠しているので、零号機は青いカラーリングになっています。新劇場版から見ている人は黄色のイメージが強いと思いますし、商品としても青い零号機は久々に見るのではないかなと思います。
――こちらのイラストは、今回のために描き起こされたものなのでしょうか。
おりがみ:そうですね。『エヴァ』の一番くじでは、基本的にはほぼ描き起こしたものを使用しています。劇場版のタッチで新たに描き起こされたイラスト、という点では特別なものかと思っています。
各機体がかわいらしくなったちょこのっこフィギュア、名場面をオシャレに切り取ったアクリルスタンド、重ねて楽しめるクリアポスター
――F賞の『ちょこのっこ フィギュア』では、量産機も含めて機体がかわいらしく立体化されていますね。
F賞 ちょこのっこ フィギュア
おりがみ:『ちょこのっこ』は一番くじで昔から制作しているブランドなんですけど、『エヴァ』では2024年6月に発売した前弾『一番くじ エヴァンゲリオン~使徒、浸食!~』で出すまでは扱っていなかったんです。前弾ではアスカと綾波、カヲルくんを出しており、今回は機体をラインナップしました。
量産機は、羽が生えているものと生えていないものがいますが、羽が生えているほうは口も開いていてA賞、ラストワン賞のフィギュアと合わせています。
Mさん:小さいですけど、ちゃんと背中のパーツまで作り込んであるんですね。
おりがみ:そうなんです。ちょこのっこシリーズはこのようにデフォルメされたフォーマットで統一してあるのですが、そのフォーマットの中でもかなり細かいところまで再現しています。
――G賞の『アクリルスタンド』では劇中の名シーンが切り取られていますが、こちらの商品で注目していただきたいのはどういった部分でしょうか。
G賞 アクリルスタンド
おりがみ:作中でも印象的なシーンを7種選んでいます。場面写真をそのまま使うのではなく、ベタ塗りのフラットなデザインに描き起こしています。このデザインでの描き起こしは以前の弾でも行っていて、ファンの方からもご好評をいただいているものになります。
――選ぶシーンを絞るのもたいへんだったかなと思いますが、シーンはどのように決めていったのでしょうか。
おりがみ:まずは僕のなかで本当に好きなシーンを選んで、そこから版権元さまと相談して種類を絞っていきました。
――特にお気に入りの1枚を選ぶとしたら、どの場面でしょうか。
G賞 アクリルスタンド
おりがみ:やっぱり、弐号機が大立ち回りをするなかで、A.T.フィールドを展開するシーンですね。A.T.フィールドや衝撃波などの表現は、このデザインにするとすごく映えると思い選びました。
Mさん:リツコとゲンドウが対峙するシーンが入っているのもいいですよね。
おりがみ:ここもけっこう衝撃的なシーンですからね。あとは、リリスが映っているシーンも入れたいな、というのもあってこの場面を選んでいます。
――H賞の『クリアポスター』についてもこだわったポイントを教えてください。
H賞 クリアポスター
おりがみ:こちらはパイロットと機体がそれぞれ単独で印刷されているのですが、基本的にパイロットは左側、機体は右側に入っています。クリアポスターの特性を活かし、重ねて飾っていただいても楽しめると思い、左右の配置をこだわりました。シンジと初号機を重ねてもいいですし、ミサトとゲンドウは右側に寄せているので、シンジとゲンドウ、ミサトとアスカなど、人それぞれに組み合わせを楽しめるようなデザインになっています。
――ポスターを重ねて絵柄を組み合わせる、というのはおもしろいですよね。
おりがみ:これまでの一番くじのなかで、初の試みなんです。クリア部分にもデザインが入っていて、もちろん単体のポスターとしても楽しんでいただけます。機体はアップで描いているので、パイロットと重ねたときに1枚の絵として成立するように、機体の前にパイロットが立っているような配置にするのも意識しました。
Mさん:機体の色はテレビ版をイメージした色合いになってますよね。
おりがみ:アニメ版放映時の印象を再現できるよう、セル画風の色味にもこだわっています。
――最後に、このインタビューを読まれている読者の方へのメッセージをお願いします。
おりがみ:『エヴァンゲリオン』がTVシリーズ放送30周年を迎え、ユーザーの皆さまの想いが最高潮に達しているこのタイミングで、今回の一番くじを発売できたことを大変うれしく思います。フィギュアから雑貨まで全てこだわっているので、ぜひお手に取っていただき、皆さまと一緒に30周年を盛り上げていけたらうれしいです。
Mさん:当時アニメを見ていた多くの方にとって、『エヴァンゲリオン』は特別な意味を持つタイトルだと思います。僕自身も、単なる思い入れ以上の深い感情を抱いています。
そんな作品の30周年という大きな節目に、映画館で衝撃を受けたあの量産機やアスカの製作に携わることができ、とても光栄です。
惣流ならではの魅力が詰まったアスカ、そして僕自身が劇場で感じた不気味さと迫力を込めた量産機。ぜひ、実物を手に取って、その魅力を感じていただければと思います。
次回も一番くじエヴァンゲリオンに、サービスサービスぅ!
※こちらの記事は公開日時点の内容となります。
©カラー/EVA製作委員会

















